<< The Immigration Policy | main | 犯罪者の人権 vs 被害者の人権 >>

スポンサーサイト

  • 2019.11.11 Monday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

一定期間更新がないため広告を表示しています


組織文化の違い ― アメリカ・中国・日本

■■ Japan On the Globe(550)■ 国際派日本人養成講座 ■■■■

国柄探訪:日米中の組織文化 〜 グローバル競争を勝ち抜くには
   自分の個性をを強みとして発揮していく戦略性が必要。

■転送歓迎■ H20.06.01 ■ 38,258 Copies ■ 2,858,660 Views■

■1.ヒラリーの個別指示■

 あるアメリカの会社で大勢の顧客を招待してパーティを開く
ことになった。総務部長のヒラリーは10人ほどの部下を使っ
て、その準備にかかった。さすがエリート社員として将来を属
目されている才女ヒラリーである。てきぱきと10人の部下に
それぞれの仕事を命じていく。

 ビル、あなたは今からあの酒屋に行って、缶ビール6ケ
ースとワイン12本を買ってきて。予算は200ドル以内
にね。1時間ほどで済むでしょうから、帰ってきたら、会
場設営をジョージと一緒にやって、、、

 命令された10人の部下は一斉に仕事に取りかかった。他の
人が何をしようと関係なく、一人ひとりがヒラリーの命令を全
うすれば、パーティの準備は滞りなく進められるのだ。

 しかし、それでも予想外の事が起こる。ビルは酒屋に行った
が、予算が200ドルでは足りそうもないと知り、ヒラリーに
電話してどうしたら良いか、新たな指示を求めてきた。ヒラリ
ーは、別の店をあたって、何とか200ドル以内で済まないか、
チェックするよう命じた。

「ビルは相変わらず気が利かないわね。次回の査定ではもう一
ランク落とそうかしら。それで、自分から辞めてくれるなら、
好都合だけど」とヒラリーは考えながら、携帯電話を切った。


■2.胡夫人の「差不多(チャープドゥオ、だいたいこんな感じ)■

 上海近郊の中企業のオーナー社長である胡さんは、社員全員
を招待して、年間売上達成の祝賀会を開くことを決め、その準
備を夫人に頼んだ。胡夫人は同社の総務部長でもある。

 胡夫人はしっかり者の上海女性を何人か選び、買い物や会場
の準備を命じた。その中には経理部の温さんもいた。胡夫人の
お気に入りのやり手女性の一人だ。別の部のスタッフを勝手に
使うことは本当なら越権行為なのだが、オーナー夫人の意向に
は、経理部長も文句は言えない。

 温さん、あなたはどこかでオードブルをみつくろって買っ
てきて。見栄えが良くて、たくさんあるのをなるべく安く
お願いね。

 胡夫人の命令は、中国語で「差不多(チャープドゥオ、だい
たいこんな感じ)」と言うように、大雑把で適当だ。ただし、
目的意識は非常に明確である。

 温さんは、行きつけの店で20分ほど激しい値切り交渉をし
た後、近くの別の企業で働いている夫を携帯電話で呼び出し、
大量のオードブルを運ばせた。

 それを見た胡夫人は「温さん、さすがね。もっと重要な仕事
を任せても良い頃ね」と皆の前で褒めた。それを聞いていた経
理部長は、そろそろ自分の首も危ないかな、転職先を探し始め
よう、と思った。


■3.部下たちのチームワーク■

 東京にある中堅貿易商社の総務部長・福田氏はあまり自分の
意見を出さない人だった。来社するインド人バイヤーたちの歓
迎会の設営で、福田部長が部下たちに指示したのは、「インド
のお客さんに失礼のないよう、心の籠もった歓迎会にしてくだ
さい」ということだけだった。

 部下たちは早速ミーティングを開いて、どんな形の歓迎会に
するか話し合った。式次第やアルコール、料理の内容が決まる
と、それぞれ分担を決めて、準備に入った。

 デパートの地下に焼き鳥を買いに行ったA君は、おいしそう
なタンドリー・チキンが特売されているのを見つけたので、当
初案から変更した。これは結構、辛いので、ビールの消費量が
増えるだろうと考え、アルコール仕入れ担当のB君に携帯電話
でその旨、連絡した。B君はビールを増やした分、ワインの本
数を減らした。

 A君が買い物を終えて社に戻ると、会場の設営が予定より遅
れていたので、すぐに手伝い始めた。


■4.モジュール型、ネットワーク型、擦り合わせ型■

 以上、似たような設定で、アメリカ人、中国人、日本人が組
織としてどう働くか、というケース・スタディをしてみた。

 アメリカ人の組織は「モジュール型」である。一人ひとりが
組織を構成するモジュールであり、ボスから個別指示が与えら
れる。各モジュールは同僚のことなど考えなくとも、それぞれ
がボスの指示をきちんと遂行していれば良い。あるモジュール
の動きが悪ければ、比較的簡単に取り替えることができる。

 中国人の組織は「ネットワーク型」と言えよう。会社の部課
といった公的な組織とは別に、個人どうしのネットワークがあ
り、そのネットワークを通じて仕事がなされる。このネットワ
ークを中国語では「圏子(チュエンツ)」と呼ぶ。

 日本人の組織は「擦り合わせ型」である。構成員どうしで自
発的な擦り合わせをして、助け合い、補完し合って、全体の仕
事が進む。

 このように世界にはいろいろな組織文化があるが、グローバ
ル化の時代には、異文化の接触機会が増えて、文化間の摩擦が
起こる。日本企業に就職したアメリカ人が「モジュール型」で
仕事をしていると、「擦り合わせ」を当たり前とする日本人か
ら見れば、「あいつは言われたことしかやらない」と不満が昂
じる。また日本企業で働く中国人が「圏子」のボスの方ばかり
を見て仕事をしていると、「あいつはごますりばかりで、皆と
力を合わせない」などという批判が起こる。


■9.日本の組織文化の強みを生かす■

 日米中の組織文化の比較をしてきたが、米中はかなり近く、
日本の独自性が際だっている点が浮き彫りになった。

 今後、グローバル化が進む中で、国内企業でも外国人社員が
増えているし、また中小企業でも海外に支社や工場を持つ事が
当たり前となってきている。そうした中で、日本企業として国
際競争力を維持・強化していくためには、どのような組織文化
を持つべきなのか。従来通りの「職人染色型」と「擦り合わせ」
でやっていくべきなのか。それともアメリカ型や中国型に変えて
 いくべきなのか?

 日本企業がアメリカ企業の真似をしようとしても、二流のア
メリカ企業になってしまうだけで、それでは国際競争には勝てない。

 逆に日本企業がアメリカや中国に工場を立ち上げ、20年ほ
どもかけて現地人幹部社員を徹底的に染め上げて、日本流の組
織文化を築き、立派な業績をあげている例も少なくない。そこ
ではアメリカ型や中国型の組織文化を一部取り入れてはいるが、
基本としての「職人染色型」と「擦り合わせ」は堅持している。

 グローバル競争を勝ち抜くには、他者に学びつつ自分の個性を磨き、
 それを強みとして発揮していくという戦略性が必要である。


■リンク■
a. JOG(526) 御手洗富士夫の和魂洋才経営
 「日本人の魂である終身雇用を育てることが、競争力の源泉」
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogdb_h19/jog526.html
b. JOG(111) 盛田昭夫の "Made in JAPAN"
 自尊と連帯の精神による経営哲学
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h11_2/jog111.html

---------------JOGホームページの活用法------------------
■既刊号キーワード・サーチ■
 弊誌ホームページ
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogindex.htm
 の左下にある「既刊号キーワード・サーチ」に、
  人名や事件の名称などを入力して、「google検索」のボタンを推すと、
  そのキーワードを含む既刊号の一覧が表示されます。
------------------------------------------------------------

============================================

◎Japan on the Globe−国際派日本人養成講座 購読申込(無料):
  http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/




スポンサーサイト

  • 2019.11.11 Monday
  • -
  • 08:24
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
コメントする









calendar
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< May 2020 >>
sponsored links
selected entries
categories
archives
recent comment
recommend
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM