The Ignition of Agricultural Innovation


 In 2009, the Farmland Act was revised so that companies could rent farmland to engage in farming. However, companies need permission of the local Farming Committee. In fact, only some 500 companies have been approved since the revision. Since March 11th earthquake and tsunami, however, agricultural innovation has vastly accelerated. 
 
 In the stricken area where 24,000 hectares of farmland were devastated by the brackish water, an increasing number of companies are being allowed to enter farming. The local governments are tying up with private corporations to promote a lasting agricultural recovery.  
 
 In Sendai City, Miyagi Prefecture, Kagome Co., Ltd. and IBM Japan, Ltd. are constructing a large-scale greenhouse in which tomatoes and papurika are being grown. Saizeriya, an Italian restaurant chain, has also started growing tomatoes on stricken farmland for its domestic restaurants.  
 
 Furthermore, major retail chains and other competent corporations are setting about farming in order to cope with the TPP. Seven & i Holdings Co., Ltd. is constructing a 20-hectare farmland in Hokkaido to enhance productivity. They expect to produce as 1,000 tons of vegetables such as boccoli and pumpkin, and the produce is scheduled to be sold at Ito-Yokado, its supermarket chain, in not only Hokkaido but also Tokyo and surrounding areas. AEON, a major supermarket chain, has introduced a cloud-computing system to monitor temperature, rainfall, and other soil conditions in 7 farms spread over 50 hectares in total. LAWSON, a convenience-store chain, is also utilizing cloud-computing to limit agrochemicals on its 4 farms. Taking charge of produce from farming through supply chain can enhance the productivity of agriculture.  
 
 In Hokkaido, increasing are ‘agri-factories’ where vegetables are grown throughout the year irrespective of season or weather. Inside the factories, CO2 is concentrated at 4 times normal to aid photosynthesis and increase crop yields. And, under LED lights, disease and insects are far less of a problem in closed factories. In addition, with few harmful bacterium or fungus present, produce can be kept at room temperature for 7~10 days.  
 
 The Liberal Democratic Party has protected agriculture for decades to secure the votes of farmers. As a result, Japan’s agribusiness has been hindered from progressing. Finally, with the reality of the disaster and the TPP, agricultural innovation is now being sparked.


Making Good out of a Bad Situation


 In the aftermath of the March 11th earthquake and tsunami, about 24,000 hectares of farmland in northeast prefectures were devastated by the sea water. However, Japan is planning a massive-scale high-tech farm in the stricken area. The disaster could lead to a leaping through in progress for agriculture.  
 
 The Ministry of Agriculture, Forestry, and Fisheries is scheduled to rent the contaminated farmland and cultivate a farm of 200~250 hectares, which is equivalent to 50 times the area of Tokyo Dome.   
 
 The ministry is cooperating on this project with blue-chip companies such as Fujitsu Limited, Hitachi Ltd. and Sharp Corporation in order to utilize advanced technologies such as robots. Panasonic Corporation, NEC Corporation, Yanmar Co., Ltd., Ajinomoto Co. Inc., Ito-Yokado Co., Ltd. are also considering joining the project.  
 
 The high-tech farm as planned will use a sensor system which controls water and fertilizer, robots that pack crops into containers, GPS controlled tractors, Special LEDs to repel insects instead of pesticides, and CO2 to aid photosynthesis in order to further increase crop.   
  
 With economies of scale and the utilization of high technology, the ministry is aiming to reduce production costs by half and to double profits. I’m optimistic that this project will trigger an agricultural revolution nationwide.   
  
 Japan’s farming productivity is fundamentally too low due to the small size of Japanese farms. The average acreage per farm is only 1.9 hectares while that of the U.S. is 198 hectares. Smaller than one-hundredth! In the case of rice, the production cost per 10 ares is 147,00 yen while that of the U.S. is 21,000 yen - 7 times higher. The price per 60kg is 15,000 yen while that of American rice is 6,000 yen. The price difference is as high as 2.5 times.   
  
 We don’t want to eat cheap foreign food. What we want is to buy Japanese food at reasonable prices. Joining the TPP does not contribute to Japanese consumers.   
  
 The Ministry of Agriculture, Forestry, and Fisheries calculates that 15 hectare-or-wider scale farms would reduce production costs by 35% compared to 1~2 hectare scale farms. The Japanese government should drastically deregulate agriculture so that well-financed corporations can run agribusiness on a large scale with high technology. 
 


シー・シェパードとの闘争

■「捕鯨戦争最前線 〜 日本代表の戦い」に寄せられたおたより 
 
■和魂Yosaiさんより 
 
 反捕鯨に関しては、全く同感で、日本人にも小松さんのような毅然と主張する官僚の方がいらっしゃったと判り、大変嬉しくなりました。 
 
 この件に関しては、肝心の日本人が及び腰になっているのではないかと懸念されます。実際問題として、鯨肉を日常食している日本人は余りいませんし、海外からの批判が高まると(事実で無いとしても)、それまで言われているのに、何故捕鯨を続けるのか、と言うのが大方の意見になりつつあるのではないでしょうか。 
 
 日本人でさえそうですから、欧米人からすると、余計日本人の姿勢というか、考えは理解しづらい、というところでは無いでしょうか。 
 
 私自身海外出張が多く、いろんな人と接することが良くありますが、日本人を知っている人は余りこの話題には触れませんが、知らない人から、なぜ捕鯨を続けるのか、と質問されて、うまく理論立てて説明することが出来ず、困ったことがありました。 
 
 反捕鯨団体が言い立てている、鯨の頭数が減っているのは、事実ではないと反論できても、知能レベルの高い、しかも可愛い鯨を殺さなくても良いのではないか、鯨を食べないでも他の物を食べれば良いのではないか、と言われると、はたと答えに窮してしまいます。
 知能レベルが高いかどうかは別にして、多くの人が可愛いと信じているくじら、しかも普段はほとんど食さない鯨を、日本の伝統であるからという理由だけで、説明することが出来ません。 
 
 欧米人の反捕鯨の感情を覆すのはなかなか困難ではないかと懸念されます。 
 
 この現状を打破するには、まず日本人が事実を正しく理解する、そして大多数の日本国民の支援を得て、日本が積極的にPR活動を通じて事実を知らせる必要があるのではないかと思います。 
 
 まず、鯨の頭数が増えていること、それにより今では欧米人も好んで食する魚類がえさとして大量に消費されていること、鯨は愛玩動物とは違うこと、鯨は有益な食料資源である事、等など、主張をしない、反論をしないままでは、何時までたっても、日本人が思いもかけず残酷な面を持った国民だと思われ、いろいろな面で不利をこうむると思います。 
 
■熊本護国生さんより 
 
捕鯨は国益、その通りだと思います。 
 
物議を醸したシーシェパード映画について、先日NHKが日本の現地でドキュメンタリーを制作放映しておりましたが、ナレーターのコメント「(イルカ漁は)いずれ消えてゆくのかも知れません。」…って、客観的とか通り越して、何様目線なのか、と呆れ果てました。 
 
一方で、捕鯨維持に邁進される方々を全く採り上げないメディアにはネット言論を正しく構築する必要を痛感しております。 
 
海外は皆が反捕鯨でない好例、マティアス・カモッツィ(Matias Camozzi)さんがThe Coveと同じ和歌山県太地町を舞台に製作したドキュメンタリー作品です。  
「Town of sun the black tide and whales」(太陽の町 黒潮とクジラと)  
http://www.youtube.com/watch?v=lsGrH7XMHIw  
 
・太地町に郵送された「ザ・コーヴ」の日本語吹き替え版とは (2011-3-8)  
http://redfox2667.blog111.fc2.com/blog-entry-252.html  
 
・オーストラリアの『ザ・コーヴ』〜鯨肉事件ドキュメンタリー『ザ・キャッチ』(2011-5-15)  
http://redfox2667.blog111.fc2.com/blog-entry-260.html  
 
・シーシェパードのハラスメント 太地町 (2011-5-24)  
http://redfox2667.blog111.fc2.com/blog-entry-261.html  
 
・太地町でハラスメントを行なったコーヴガーディアンとは? (2011-5-29)  
http://redfox2667.blog111.fc2.com/blog-entry-262.html  
 
・『ザ・コーヴ』の調査 (2011-6-9)  
http://redfox2667.blog111.fc2.com/blog-entry-263.html  
 
・『ザ・コーヴ』の演出と虚偽 (1) (2011-6-13)  
http://redfox2667.blog111.fc2.com/blog-entry-264.html  
 
・『ザ・コーヴ』の演出と虚偽 (2) 〜水銀汚染神話の嘘 (2011-6-17)  
http://redfox2667.blog111.fc2.com/blog-entry-265.html  
 
・『ザ・コーヴ』の演出と虚偽 (3) 〜時系列の操作による後付けストーリー (2011-7-19)  
http://redfox2667.blog111.fc2.com/blog-entry-266.html  
 
・『ザ・コーヴ』の仕掛人 (2011-9-10)  
http://redfox2667.blog111.fc2.com/blog-entry-267.html 
 
 
■スマイルズさんより 
 
 私は、伊勢氏の意見と言葉に賛成である。 
 
 小松氏の尽力は人知を超えるすさまじいものがあったと推測される。 
 
 何故なら、和歌山県太地町の捕鯨に対する歴史と考え方を反捕鯨国が調べれば直ぐに分かることであるからだ。 
 
 日本民族の「足るを知る」という観念が、脈々と息づいていることは明白である。これには、サスティナブル社会実現が今に始まったことではないという確固とした思想があるからでもある。乱獲や横暴を押さえ、蓄積を目指す感覚は、法制化しなくても民族の知恵としてあったものである。 
 
 従って、明かな妨害をされているにも拘わらず、果敢に戦ってきた小松氏の辛抱強い戦いと、伊勢氏の意見に合理性があると考える。 
 消費と乱獲が美徳とされる米国の考え方に、大国の論理が働いているので、力に屈しないようこれからも努力すべきである。 
 
 ルールを主張する側の国・団体がルールを無視するようなやり方には嫌悪を覚える。 
 
 
■■ Japan On the Globe(728) ■■ 国際派日本人養成講座 ■■ 
 
Common Sense: 捕鯨戦争最前線 〜 日本代表の戦い 
 
 多勢に無勢のIWC(国際捕鯨委員会)で、日本の国益を主張し続けた水産官僚がいた。 
 
■転送歓迎■ H23.12.18 ■ 38,883 Copies ■ 3,479,106Views■ 
 
■1.シー・シェパード(SS)への反撃 
 
 最近、次のような興味深いニュースの報道があった。[1] 
 
__________ 
 米反捕鯨団体、シー・シェパード(SS)の調査捕鯨妨害を阻止しようと、政府の許可を受け調査を実施している日本鯨類研究所(東京都中央区)が、SSの本部のある米ワシントン州の連邦地裁に対し、妨害の差し止めと船団への接近禁止を求める訴訟を一両日中にも起こすことが8日、分かった。 
 
併せて差し止め仮処分の申請も行う。負傷者が続出し、昨季には調査打ち切りに追い込まれたSSの妨害をめぐり、日本側が海外で法的手段に出るのは初めて。 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 
 火炎瓶を投げつけたり、船で体当たりするなど暴力行為をしてきたシー・シェパードに対して、法に基づく反撃を行うというもので、声援を送りたい。 
 
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とは、日本国憲法の前文の一節である。しかし北朝鮮の日本人拉致、尖閣諸島での中国漁船の体当たりなどを見れば、「公正と信義」を信頼できる諸国民ばかりではないことは、明らかである。 
 
 こうした法的な戦いを通じて、不当な輩を訴えていくことが、不正がまかり通る国際社会で「公正と信義」を少しでも増進していく道だろう。 
 
 捕鯨問題とは、弊誌でも今まで見てきたように[a,b]、科学的事実も論理も無視した一部の活動家たちとそれに動かされた国々が、「公正と信義」を踏みにじってきた世界である。そんな世界で日本の国益を担って、敢然と戦ってきた人がいた。その人、元・農林水産官僚の小松正之氏の戦いぶりを辿ってみたい。 
 

■2.「その場その場のごまかしもいい加減にして貰いたい」 
 
 まずは、小松氏の戦いぶりを分かりやすい一場面で見てみよう。小松氏はIWC(国際捕鯨委員会)で、反捕鯨国がNGO(非政府団体)を議場に入れることに腹立たしい思いをしていた。 
 
 マスコミはシャットアウトされているので、NGOのメンバーが会議終了後に待ち受けていたマスコミに「議論紹介」と称して、好き勝手な事を吹聴するからだ。曰く「日本の捕鯨は条約違反」「鯨肉をたくさんとってきて、高級レストランに売っています」等々。小松氏はほんとうの意味での透明性を高めたいと思っていた。 
 
 1998(平成10)年のオマーン総会の財務委員会でのこと。この委員会は政府代表団のみが参加できる会合で、NGOには非公開と定められていた。 
 
 ふとアメリカ代表団の方を見ると、NGOの青バッジをつけた連中が紛れ込んでいる。小松氏は「なぜこのような重要な財政問題を話しあう場に、ルールに反してまで関係のないNGOが出席しているのか」と詰問した。アメリカ代表団は「この問題は、NGOが特別に関心があるので、米代表団に登録していれた」と答えた。 
 
 小松氏はこう主張した。 
 
__________ 
 そもそもアメリカ代表団にNGOを入れること自体が間違いだと 
思うが、あなた方の主張に沿ったとしても、入れるなら入れるで、なぜ会議の前に代表団の一員として登録をし直し、そしてバッジを明確に分かるように黄色に変えないのか、不適切ではないのか。 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 
 米代表団は「彼らは(コーヒーを入れたり、書類を配ったりする)サポーティング・スタッフなのだ」という。しかし、そんな仕事は一切せず、座って話を聞いている。それがどうしてサポーティング・スタッフなのだ。「その場その場のごまかしもいい加減にして貰いたい」と小松氏は問い詰めた。 
 

■3.「こんな簡単な規則すら守れない会議などやっていられるか」 
 
 事務局に「いったいどうなっているんだ」と問い詰めると、「問題はとくにありません」としれっと答えた。 
 
 大ありだ。「こんな簡単な規則すら守れない会議などやっていられるか」と小松氏以下、日本代表たちは席を立った。捕鯨国のソロモン諸島やカリブ海諸国も、アメリカと事務局の対応に憤慨して、議場を出ていった。翌日、アメリカ代表が、コミッショナー会議で、米代表団の行動について謝罪した。 
 
 真の透明性を謳うなら、限られたNGOだけでなく、メディアを会議場に入れて、実際にどんな議論が行われているかを聞いて貰うべきだ。そう考えた小松氏は、「メディアへの公開」を訴えた。 
 
 日本からの提案に「テレビカメラのコードに足をひっかけたら危ないじゃないか」などと、理由にもならない反対意見が出たが、まったく説得力はなく、2000(平成12)年からテレビカメラを議場に入れることになった。 
 
 この一件が、国際会議や国際交渉に臨む小松氏の姿勢をよく表している。原理原則に照らして、自らが正しいと思うことを敢然と主張する。その姿勢が、日本が捕鯨問題で筋を通してこられた理由であった。 

 
■4.落ち込んだ日本代表団 
 
 1994(平成6)年のIWCメキシコ総会では、南氷洋のサンクチュアリが採択された。サンクチュアリとは「聖域、禁猟区」の意味で、南氷洋での捕鯨行為を禁ずるというものである。 
 
「資源状態にかかわりなくサンクチュアリを設定する」という提案は、そもそも「科学的根拠を規制措置の導入の可否の判断にする」というIWC条約そのものに矛盾したものであった。 
 
 科学的根拠もないまま、数の力で抑えこもうとする反捕鯨国側に対して、小松氏は「こんな横暴と不正がまかり通ってよいわけがない」と憤っていた。 
 
 おりしも、サンクチュアリと同時に、日本の南氷洋の調査捕鯨がさんざんに叩かれた。たとえば反捕鯨国であるオーストラリアのある科学者は、調査捕鯨では本来すべての年齢層のサンプリングをすべきなのに、日本の調査は4歳以下のミンククジラをサンプリングしていない欠陥調査である、と指摘した。 
 
 日本側も若齢クジラの捕捉ができていないことは気づいていた。調査海域では若いクジラがいなかったのだ。そして、この批判を受けた日本の科学者は、反論もできず、狼狽してしまった。 
 
 唯一の武器だと思っていた南氷洋の調査捕鯨が、厳しい批判にされされ、日本の代表団全体が、もう調査捕鯨は終わりか、と落胆していた。 
 

■5.日本代表の屈服 
 
 しかし小松氏は違った。他人の批判は宝の山である。反捕鯨国が日本が見落としていた調査のほころびを見つけてくれた、と考えた。 
 
 それまではオーストラリアとニュージーランドの南を東西120度の範囲で調査していた。データを見ると、それを東西に30度ずつ拡大して、180度とすると、若齢クジラを捕捉できる可能性があることは、それまでのデータが示唆していた。 
 
 そこで調査海域を広げて、捕獲枠も300頭から440頭へ増やす調査計画を建てた。さらにDNAによるクジラの系統群の調査なども加えた。こうした調査計画を小松氏は土日返上で一年ほどで作り上げた。 
 
 こうして2009(平成21)年のダブリン総会に臨んだ。科学委員会では調査計画を評価する報告書がまとめられた。しかし、本会議は科学委員会の議論とは関係なく、「自粛決議」を打ち出してきた。彼らも必死である。せっかくサンクチュアリ決議を通したのに、逆に日本が南氷洋の調査捕鯨を強化するというのだ。 
 
 しかし、調査計画は科学委員会からも認められたものであり、それを実施することは捕鯨条約上の権利でもある。アメリカが本会議で「自粛しろ」と決議しても、何ら拘束力はない。 
 
 しかし、日本側代表は米国側代表と会談に呼び出されると、圧力に屈したのか、「捕獲枠は330頭にするから、自粛決議をやめてくれないか」と切り出してしまった。 

 
■6.「アメリカが経済制裁を加えてくる事はないだろう」 
 
 帰国後も政府部内で議論を重ね、やはり440頭で押し通そうということになった。小松氏は自らアメリカに飛んで、説明した。 
 
__________ 
 アメリカは、グリーンピースに代表される環境団体の存在が見え隠れするので、建前上、反対する。アメリカ側としては「反対」の一点張りで、しかし、だからといって具体的に制裁や圧力、妨害をかけてくるかといえば、そういうわけではない。 

「反対だから何々をします」といわない以上、実質的な妨害はしないものと捉えていい。そして、それは交渉当事者の表情と口ぶりで、だいたい分かるものである。[2,p109] 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 
 アメリカが経済制裁を加えてくる事はないだろう、というのが、小松氏の読みだった。GATT(関税および貿易に関する一般協定)では、資源状態が枯渇した品目に対して貿易禁止などの制裁を課すことができるとされているが、クジラの頭数はいまや十二分に回復して、溢れていると言っても良い状態だった。 
 
 GATTで争えば、アメリカが負けるのは自明だった。結局、アメリカの反対を押し切って、日本は調査捕鯨を拡充した。アメリカは国内世論に配慮して、反対したという姿勢を見せただけだった。 
 
 サンクチュアリが導入されて以来、失意のどん底にあった国内では、喜びの声があがった。鯨類資源の豊富な南氷洋で「持続利用の原則」に則った反転攻勢に出られたのだ。 
 

■7.相手と「俺、お前」の関係を築く 
 
 小松氏は、この交渉を振り返って、こう述べている。 
 
__________ 
 アメリカがこういった対応をすることは予想がついていた。これも交渉の駆け引きの一環で、ひとえに向こうの国内事情などについて勉強すれば分かるのである。 
 
そして人と人との付き合いもそうだが、国と国との交渉も、相手を尊重し、敬意を払い、十分な説明と意思の疎通を図ることによって確立される。[2,p110] 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 
 こうした交渉のベースとして、相手と「俺、お前」の関係を築くことが大事だ、と小松氏は強調する。 
 
__________ 
 われわれは国を代表して交渉に臨んでいた。国家の利益を第一に考える、国の総意を体現するといっていいかもしれない。しかしわれわれと同じく、交渉する相手だって人間だ。外交交渉は、国と国の話し合いであると同時に、人間同士の話し合いでもある。 
 
交渉相手、または同じグループの人間と、いかに良好な関係を結べるか、それも交渉において非常に重要な点である。 
 
 案件は案件、人間関係は人間関係。主張することによる尊敬と意見の対立。これらはまったく別個のものであり、両立する。[2,189] 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 
 実際、反捕鯨側で激しく対立していたアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの人々は、いまでも「小松さんの訪問を歓迎します」と声をかけてくるそうだ。 
 
 日本人はとかく意見の対立を嫌うがために、国際交渉の場でも、先の日本代表のように、とにかく妥協を急ぐことが多い。これでは、国益を損ねるだけでなく、互いへの理解と敬意も生まれない。 
 
 互いに祖国のために戦う戦士の間には、相手への尊敬が生まれると言われるが、それは死力を尽くしての戦いの後に生まれる共感であろう。戦う前から、武器を捨てて、とにかく仲良くしましょうという相手には、敬意も共感も抱けない。 

 
■8.「人類のための捕鯨を」と主張すべき 
 
 冒頭で、小松氏が「原理原則に照らして、自らが正しいと思うことを敢然と主張する」ことを大切にしてきた、と述べた。 
 
 この点で、小松氏自身は「捕鯨とは日本単独の利益追求ではなく、人類のために捕鯨資源を利用しようということをもっと強く打ち出すべきだった」[1,p93]と反省している。 
 
 反捕鯨国のアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、フランスなどは牛肉の輸出国である。彼らはクジラの愛護だとか、絶滅を防ぐ、などと科学的な根拠も無視して主張しているが、その本音は牛肉輸出を護りたいという事ではないか、と弊誌は勘ぐっている。 
 
 環境を破壊せずに、人類に豊富な食糧を提供しうる捕鯨のパワーを彼らは恐れているのではないか。 
 
 肉牛を育てるには、肥料や地下水を使ってトウモロコシなどの飼料を育てなければやらねばならない。また排泄物そのものが環境負荷となる。増大する地球人口を養うには、牛肉では間に合わない。 
 
 それに対して、クジラは食物も排泄も海中の自然循環の中で組み込まれている。科学的な調査に基づき、乱獲さえ気をつけていれば、いつまでも持続可能な資源なのだ。 
 
 日本が捕鯨に拘っているのは、それが自然環境を保全しつつ、人類に十分な栄養を供給する道だからだ、と主張することが大切だろう。そのためには、まずは日本国民自身がこういう使命をよく自覚する所から、始めなければならない。 
 
(文責:伊勢雅臣) 
 
■参考■ 
1. msn産経ニュース、H23.12.9「シー・シェパード提訴へ 日鯨研、米連邦地裁に 調査捕鯨妨害差し止め」 
2. 小松正之『世界クジラ戦争』PHP研究所、H22 
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4569775861/japanontheg01-22/ 
 

■リンク■ 
a. JOG(097) クジラ戦争30年 
 捕鯨反対運動は、ニクソンの選挙戦略から始まった。 
 http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h11_2/jog097.html 
b. JOG(660) 捕鯨は地球を救う 
 増えすぎたクジラを捕る事で、食糧危機と環境危機に立ち向かう事ができる。 
 http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogdb_h22/jog660.html 
c. JOG(662) 日本人はクジラの供養塚を建ててきた 
 我が先人たちはクジラの命に感謝して無駄なく利用し、その上でクジラの霊が成仏するように祈ってきた。 
 http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogdb_h22/jog662.html 
 
==================== 
Japan on the Globe−国際派日本人養成講座のバックナンバー・配信停止はこちら 
 ⇒ http://archive.mag2.com/0000000699/index.html
 無料購読申込・取消: http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/ 
 携帯向けブログ → http://japan-on-the-globe.at.webry.info/ 
 


Prospects for 2012


2011 was a tragic year for Japan. An unprecedented earthquake and tsunami hit the northeast of the country. To make matters worse, the least competent prime minister ever worsened the nuclear power plant accident. Not only Fukushima residents but also many growers and producers in Japan have still been suffering from rumors over safety. All Japanese would be hoping for a glorious new year. However, 2012 will probably be a turbulent year globally.   
  
On December 17th, North Korean leader Kim Jong-il reported died of a heart attack while on a train trip to visit an area outside Pyongyang. Whether he died of complications of his previous stroke or a ‘palace conspiracy’, North Korea will be headed by his third son, Kim Jong-un, who had already been designated the heir.   
  
Under the dictatorship, famine and economic malaise have always threatened to erode the Kim dynasty. I wonder whether the new leader who is barely 28 years old will be able to maintain the dictatorial regime.   
  
Needless to say, for South Koreans, this authoritarian transition is a scary issue because the political instability might lead to a violent military conflict on the Korean peninsula. And, if the unification of Korea, their long-yearned hope, is attained, it would cost roughly one trillion dollars. The South Korean president must be praying that the North Korean regime does not collapse.   
  
China has pledged to support for the new dictator because if North Korea collapses, countless North Korean refugees would flood into China. However, China itself is on the verge of collapse. Common Chinese citizens are filled with discontent since the economic disparity has widened. The prices of real estate had been soared in the past and are now crashing due to government intervention. The Chinese economy is about to burst. In addition, Chinese leaders are scheduled to change over in 2012.  
  
Not only China but also the U.S. wish to mitigate the effect of Kim Jong-il’s death to maintain the order in East Asia. President Obama is considering offering food aid to North Korea even if the food would be diverted to soldiers. Mr. Obama might lose the presidency after the presidential election in 2012.  
  
Before the U.S., the Russian presidential election will take place in March. On December 11th, about 25,000 people in Moscow and tens of thousands of more in cities across Russia gathered in the largest anti-government protest since the fall of the Soviet Union. Again, on the 24th, more than 30,000 citizens rallied against the Putin-regime in the center of Moscow. However, this would not lead to “Russian Spring” because the majority of Russians prefer ‘Strong Russia’ to democracy or freedom. They are going to reinstate Vladimir Putin as their president.   
  
On the other hand, there might be radical changes in Western Europe. No one can tell what will become of the European Union and its financial problems.   
  
I feel China’s collapse is approaching, in 2012 or at latest by the end of 2013. And, without the oil provided by China, North Korea will collapse instantly. I hope not only Japanese but all the abductees will be rescued as soon as possible.   

 

保護司 ― 非行少年の立ち直り支援

  
今回は、クリスマスにちなんで、 
2012年1月号の『致知』に掲載され、 
大きな感動を呼んでいる大沼えり子さんの随想 
「幸せの鐘を鳴らそうよ」をお届けします。 
 
ぜひ最後までお読みください。 
 
─────────────────────────────────── 
■「致知随想」ベストセレクション  
─────────────────────────────────── 
      「幸せの鐘を鳴らそうよ」 
                
     大沼えり子(作家、NPO法人ロージーベル理事長) 
─────────────────────────────────── 
 
 一人の少年のために、
 一人の少年のあの笑顔を取り戻すために、
 私は保護司(ほごし)になりました。 
 
 あれは長男がまだ小学一年生の時でした。
 私は嫁ぎ先の割烹料理店の切り盛りに
 慌ただしい毎日を送っていましたが、
 鍵っ子だった自分と同じ寂しさを、
 我が子には味わわせたくないと思い、
 午後には一時帰宅し、おやつをつくって迎えていました。 
  
 せっかくつくるのなら、と
 息子の友達にも振る舞うようになり、
 いつしか我が家は大勢の子供たちの
 賑やかな遊び場となりました。 
  
 私は彼らが心底愛おしく、うちに来る子は
 すべて自分の子のつもりで接していました。 
 
 その中に一人、他の子と遊ばず
 いつも私のそばから離れない少年がいました。 
  
 母親が病のため愛情に飢えていたのでした。
 母親の温もりを知ってほしいと思い、
 とりわけ彼には愛情を注いでいました。 
 
 そんなある日、事件が起きました。
 少年が息子と一緒に遊びに行った友達の家から、
 マスコット人形を盗ったというのです。 
  
 友達の弟が大切にしていた人形だったため、
 母親まで巻き込んだ騒ぎになり、
 私のもとに相談に見えたのです。 
 
 私は日頃から子供たちに、
 うちの子になるならルールを守ろうねと 
 言い聞かせていました。 
  
 嘘をつかない、人に迷惑をかけない等々、
 自分が親から言われてきたことばかりです。 
 
「はい!」 
 
 と元気に答える彼らの中でも、
 とりわけ嬉しそうに頷いていたのがその少年でした。 
 
 それだけに、彼が人のものを盗ったとは
 信じられませんでした。 
  
 しかしなくなった人形を少年の家で見た、
 と息子が言うのです。 
  
 家庭の事情で玩具も満足に買ってもらえない少年。
 盗ったのではなく、きっと欲しかったのだ。
 私はそう考え、とにかく一緒に謝ろうと言いました。 
 
 ところが彼はいくら言い聞かせても謝ろうとしません。
 裏切られた気持ちになった私は、
 もううちには二度と来ないで、
 と強い口調で言ってしまいました。 
 
 二週間くらいたった頃、布団を干していると、
 門のあたりに小さな人影がありました。
 チャイムを押そうとしてためらい、
 行ったり来たりしているのはあの少年でした。 
  
 彼がそうして毎日うちに立ち寄っていることを息子から聞き、
 私は思わず駆け寄って抱きしめました。 
  
 少年が「ごめんね」と繰り返しながら漏らした言葉に、
 私は頭をぶたれたようなショックを受けました。 
 
「あれは盗ったんじゃなくて、もらったんだ……」 
 
 あの時、なぜもっと事情を聞いてあげなかったのだろう。
 大好きな人から謝罪を強要され、幼い少年の心は
 どんなに傷ついたことだろう……。 
 
 その後、少年は再び我が家に
 遊びに来るようになりましたが、
 家庭のことで心を荒ませ、
 いつしか顔を見せなくなりました。 
  
 中学へ進学してからは、家の前を通る度に
 髪の色や服装が奇抜になっていき、
 声をかけても返事すらこなくなりました。 
 
 そしてとうとう鑑別所に送られる身となったのです。 
 
 もちろん直接の原因ではありませんが、
 あの時、無垢な彼の心を傷つけた後悔の念は、
 私の中に燻り続けていました。 
  
 彼に償いがしたい。
 もう一度彼の笑顔に会いたい── 
  
 ずっとそう思い続けていたので、
 保護司のお話をいただいた時は
 二つ返事でお引き受けしたのです。 
 
 その時からたくさんの少年たちに出会ってきました。
 心が痛むのは、彼らのほとんどが、
 生まれてこの方、腹から笑ったことがないという事実です。 
  
 みんな幸せが欲しくて、欲しくて、
 懸命に手を伸ばしているのに、
 どこかで歯車が狂ってしまっている。
 彼らは自分のことをカスとかゴミだと言いますが、
 私は彼らを無条件で好きになります。 
 
「君が大事なんだ。
 可愛くて、可愛くて仕方ないんだよ」 
 
 と言うと、涙をポロポロ流します。 
  
 非行を犯して一時的に愉快になっても、
 それは真意ではなく、その後ずっと罪の意識で
 ビクビクしながら過ごすことになる。
 人に感謝される行いを積み重ねてこそ、
 本当の幸せを手にできるといつも説いています。 
 
 あの少年が保護観察になると聞いた時、
 私は観察官の方に頼んで彼を担当させてもらいました。 
  
 嫌がっていた彼は、
 私が彼のために保護司になったと告げると、
 驚きの表情を浮かべました。 
 
「もう一度君の笑顔を見たいんだよ。一緒に幸せを探そう」 
  
 彼は声を上げて泣きました。 
  
 いまは寿司職人として独立を目指して頑張っています。
 ようやく軍艦が握れるようになった頃、
 彼は私をお店に招待してくれました。 
  
 カウンター越しに彼の笑顔を見た瞬間、
 私は思わず胸がいっぱいになりました。
 目頭を押さえながら食べた彼のお寿司は、
 世界一の味がしました。 
 
 かかわった少年たちのことは、
 片時も頭から離れません。 
  
 観察期間が過ぎても慕ってくる彼らから、
 私は与えた以上の喜びを与えられ、
 抱えきれないくらいの心の財産をいただいています。 
 
 その後、家族がなかったり、家族崩壊の中、
 帰る家もなく希望を失った少年を
 「お帰り」と迎えてあげる家をつくりたいと考え、
 私は立ち直り支援の「少年の家」「ロージーベル」を
 立ち上げました。 
  
 平成二十三年にNPO法人に認定。
 現在少年たちが日々笑いの中、生活をともにしています。 
 
 人は誰でも心の中に幸せの鐘を持っています。
 一人がその鐘を鳴らすと、
 周りの鐘も共鳴して幸せ色に変わっていくのです。 
  
 その鐘の音が共鳴し合い
 周りをどんどん幸せ色に変えてゆけるよう、
 今日も私は少年たちに、一緒に幸せの鐘を鳴らそうよ、
 と呼びかけ続けています。 
  
 そう、人は幸せになるために
生まれてきたのですから。 

 
       ●『致知』2月号 特集テーマ「一途一心」 
     ⇒ http://www.chichi.co.jp/monthly/201202_pickup.html 
※ 『致知』は書店では販売しておりません。 
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
▽アドレス変更&配信停止:自社配信版 
 ⇒ http://www.chichi.co.jp/cgi/entry.html 
 

Inconvenient Truth of the TPP


 The Japanese government has established three teams across ministries to handle negotiations relating to the Trans-Pacific Partnership (TPP). Although I’m basically against joining the TPP, Japan’s agriculture must be reformed drastically.   
  
 Not enough information in relation to the TPP has been disseminated to the general public. Moreover, politicians sound insincere when talking about the TPP and seem quick and loose with the facts.   
  
 The Ministry of Agriculture, Forestry, and Fisheries forecasts that if rice were completely deregulated, 90% of Japanese rice would be devastated. This is BS! According to their calculation, more than 7 million tons out of 8 million tons of domestic rice consumption would be accounted for by foreign rice pricing at 57 yen per kilogram, which equals less than one quarter of the going price for Japanese rice. However, 57 yen per kg is the lowest price Chinese rice has ever been. China is not scheduled to participate in the TPP.         
  
 Also, the ministry assumes that 4 million tons of American rice would be imported. In the U.S., nearly 9 million tons of rice is produced, 4 million tons of which is exported. However, most of the American rice is longer or middle grained. Short-grain Japonica rice that Japanese eat accounts for only 0.3 million tons. If grown to capacity, the production would be at most one million tons. It’s far from reality that 400 tons of rice would be imported from the U.S.  
  
 Without tariffs, American rice would be priced about 100 yen per kg, which equals 40% of Japanese rice. When Japan was pushed by the U.S. to liberalize the orange and beef markets, orange farmers and ranchers were not devastated at all. We prefer Japanese food. Even more so, Japanese are very picky about rice. In fact, pricey premium rice sells well in Japan. How many Japanese prefer foreign rice when it becomes cheaper? I, for one, will never eat foreign rice no matter how cheap it becomes. Would the bureaucrats of the Ministry of Agriculture, Forestry, and Fisheries go for foreign rice?  
  
 In the last two decades, Japan’s workforce in agriculture has decreased by half. Now, farmers who are 60 years old or older account for more than 70% of the agricultural workforce. Entry into farming must be opened to not only all people but also corporations.   
  
 Japan’s average farm acreage is about 2 hectares while America’s is 200 hectares The production cost of Japanese rice is 7 times that of American rice. In order to lower the production cost, Japanese farming has to be enlarged and, at the same time, utilize technology more effectively. Well-financed corporations should develop high-tech farming on a large scale.   
  
 The Japanese government should deregulate agriculture drastically. As a result, inefficient farms would go bankrupt. It’s inevitable. Farming and fishing should be shouldered by the most competent actors because we cannot live without food.   
  


大阪「都」:役人天国から議員天国へ


◆■■■国際派時事コラム「商社マンに技あり!」■■■◆ 
 
      大阪市の区の数を3分の1にせよ 
 
■■■■第334号■■平成23年12月5日発行■■■◆ 
 
大阪「都」は、言いたいことをフツーの人にワンフレーズで
伝えるための方便だ。
もちろん「大阪府」を「都」に改名する必要はない。 
 
大阪市と堺市を適当な規模の市に分割し、広域行政を大阪府に
一本化すれば目標は達成できる。 
 
 わたしが住んでいる東京都足立区は人口68万人である。
東京23区あわせて881万人だ。 
 
 区というのはそういう規模のものだと思っていたので、
大阪市の実態を知ってビックリした。 
 

■ 役人のポジションは増やし放題か ■ 
 
 大阪市の人口は267万人。東京23区の3分の1の規模だ。
とすれば大阪市の区の数も23区の3分の1、つまり8区で十分だろう。 
 
 ところが大阪市には何と区が24もある。
8区で済むはずのところ、その3倍の数の区役所をつくり、
その数だけ役人のポジションをつくって、言わせてもらえば
「区政のママゴト」をしているわけだ。 
 
市町村合併が進められる一方で、大都市の「区役所」が聖域に
なっては いないか。
 
 堺市の人口は84万人。そこに7つの区役所がある。
勘弁してくれ。足立区に5つの区役所があるようなものじゃないか。
笑わせるんじゃないよ。
直ちに7つの区を2つか3つに統合すべきではないか。
松井一郎知事、所感や如何に。 
 
 こういうところから手をつけるのが、橋下徹大阪市長+
松井一郎大阪府知事の仕事だと思うね。 
 

■ トロイの木馬は「ひと」を見るか ■ 
  
 課題はひとえに人の処遇の問題である。

大阪市で広域行政を担当している幹部職員に大阪府という組織へ
移ってもらうのが、大阪市政にトロイの木馬として乗り込んだ
橋下徹市長の懸案だ。

しかし市役所から府庁へ移る職員は、外様(とざま)の身になるわけだから
「昇進ポストで損をするに違いない」と本人たちは考える。
そしてたぶん予想どおり損をするのである。

だから橋下徹市長+松井一郎知事の課題は、大阪市役所の幹部職員が
大阪府庁に移って納得のいく処遇をされる実例をどんどん作って、
広域行政の府への一本化に対する大阪市役所の抵抗感をぬぐい去ることにある。

 市長が会社の社長とすれば、市職員は社員である。
社長が幹部社員とツノ突き合せたらうまくいかないのは当然で、
幹部社員ひとりひとりの人生を考えてやることが新社長のねらいを
実現する出発点になる。

 その包容力と「ひとを見る目」が橋下徹市長にあるのか、
わたしは知らない。
 

■ 市職員と府職員の交流研修会 ■ 
  
 組織改編は40代半ばを過ぎた宮仕えの身にはこたえるものである。

 かく言うわたしも勤務先の組織改編があった。
年次が数年も下で、発電事業に関わったこともない別部門の社員が
上司になってしまい、複雑な気持ちだ。
こちらは入社以来、電力ひとすじでやってきたプロなのだけど…。

 わたしの例などはナマやさしい部類である。給与や待遇が
大きく変わったわけではないから。

橋下市長の説く大阪「都」という化粧を落として見れば、大阪「市」の
解体だから、大阪市役所3万9千人の職員の一生に関わる問題だ。

わたしが橋下徹市長の立場だったら、毎週末に大阪市役所と大阪府庁の
40〜50歳のイキのいい社員を20人ずつ集めて交流研修会をするだろうね。
そこに市長も毎回参加する。

 1年間で、市役所・府庁あわせて2千人の職員が交流研修を体験する。

近畿地方をどういう場所にしたいか、日本の地方行政をゼロから
設計しなおすとするとどんな絵が描けるか。
それを大阪市役所と大阪府庁の働きざかりの2千人の職員が語り合ったら、
きっと何かが変わる。
 

■ 舞い上がっている場合か ■ 
  
「大阪維新の会」が掲げた行政再編という目標は、何万人もの職員の人生を
左右する大事(おおごと)だ。

42歳の橋下徹市長は、舞い上がることなく少なくとも50歳までは
大阪市長ないし大阪府知事としてこの大きな課題に取り組む覚悟を
もってほしい。

外交や税制・財政政策についての総合ビジョンのない「維新の会」が
身のほどもしらず早くも国政選挙をうかがおうとしているのは、
許しがたい軽佻浮薄である。
 

◆■■■国際派時事コラム「商社マンに技あり!」■■■◆ 
 
  「大阪維新」で政治ポストが激増。それでいいの? 
 
■■■■第335号■■平成23年12月6日発行■■■◆ 
  
 東京都中央区にあって大阪市中央区にないものが2つある。
さて、何でしょう。

 
■ 政治家のポスト ■ 
  
 東京都中央区は人口12万6千人。銀座や日本橋のある区だ。
14年前には7万2千人まで落ち込んでいたが、最近は臨海地域に
高層マンションが建設されて人口が増えた。

 さて、東京都中央区にあって、大阪市中央区にないものは?

 公選制の区長と区議会議員です。いずれも政治家のポスト。

 東京都中央区には定数30名の区議会があるのですな。
区長は、市長と同じく選挙で選ばれる。特別区ですから。

 大阪市中央区に区議会はない。
大阪市中央区長は、市役所職員の栄達のポストである。
大阪市中央区は、単なる行政区ですから。

 さて、橋下徹・新市長ら大阪維新の会の面々にお聞きしたい。
貴殿らのいう「大阪都」が実現すると、大阪市が廃止されて、
大阪24区にそれぞれ区議会と公選制の区長が誕生するってことだよね。

 
■ 首長・議員が激増する仕組み ■ 
  
 いま大阪市議会(「大阪市会」と呼ばれる)の定数は86名である。

もしかりに大阪市の24の区がそのまま特別区になり、東京都中央区並みに
各区に30名の区議会議員さんが誕生するとしましょうか。

 24 × 30 = 720 だね。
86名しかいなかった市会議員が、720名の区議会議員へと激増するってこと。

 首長のポストは市長1名だけだったのが、区長24名へ。
政治家だったら、うれしさのあまり悶絶する。

 区の合併を進めて、区の数を8つくらいに絞ったとしても、
8 × 30 = 240 だ。
議員の数は86名から240名に増える。

おそらく、過去に1度でも大阪市会議員選挙に立候補したことの
あるような人は軒並み、悠々と区議会議員に当選できるだろう。
ベテランの議員さんは、たんとある区長のポストをねらう。

 役人天国どころか、政治屋天国だ。
大阪維新の会の求心力は、そこにあったのでは?

 
■ つついてみたい ■ 
  
橋下徹氏のスキャンダルを週刊誌が懸命にほじくりかえしていたが、
ぼくなら橋下徹氏に一言こう言うね。

「区議会議員や区長をいくら増やしたら気が済むの?」

 きっと、橋下徹氏は激怒すると思う。
 だって、いちばん痛いところだから。 
  
=== 
  
◆ 最近のブログから 
 (全文はクリックしてブログでお読みください)

なぜアムネスティ・インターナショナルが日本で左翼の餌食にならなかったか 
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/201111240000/ 
  
先日、アムネスティ・インターナショナルの東京事務所の事務局長さんと
話す機会があった。 
 そこで長年の疑問が氷解した。 
  
事務局長氏によれば、アムネスティ・インターナショナルの名において
運動を起すときには、例外なくロンドンの本部から調査団が来て、本部として
納得できるまで調査を行った末に、運動の可否や運動の進め方について決める
のだそうだ。 
 
つまり、日本共産党や社民党の運動家がアムネスティ・インターナショナル
日本の会員のうちの「お目々キラキラ」な人たちに働きかけて、アムネスティ・
インターナショナルの名前を標榜して左翼踊りを踊らせる、というわけには
いかないわけである。    (全文はブログでお読みください) 
 
== 
  
<泉 幸男 著> 
 
『中国人に会う前に読もう  第一線商社マンの目』  
 
『日本の本領(そこぢから) 国際派商社マンの辛口メモ』 

通 信 販 売 も 受 付 中 
http://homepage2.nifty.com/sai/mart/  
  
== 
 
■主宰  泉 幸男(いずみ・ゆきお Izumi Yukio) 
 http://www.f5.dion.ne.jp/~t-izumi/ 
(旗艦ウェブサイト。これまでの号もここで見られます) 
 http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/ 
(週に3回ほど更新しているブログ) 
 
■このメールマガジンの転送・転載はご自由にどうぞ。 
 
■メールマガジン(配信誌)のお申込み・解除は、以下のページでどうぞ 
 http://www.f5.dion.ne.jp/~t-izumi/mailmag.htm 
  

リーダーシップ:便所掃除のおばさん


─────────────────────────────────── 
   「ソニー創業者・井深大氏が語ったリーダー論」 
 
           宮端清次(はとバス元社長) 
─────────────────────────────────── 
 
リーダーシップの勉強を始めようと私が思ったのは、 
30年以上前のことです。 
 
都庁で管理職になった頃、 
現役を退いたソニーの井深大さんの講演を 
聴きに行ったんです。  
 
そこで井深さんは1時間ほどリーダーシップの話をされましたが、 
私にはよく分からなかった。 
 
すると終了後に、ある女性が手を挙げて 
 
「失礼ですが、いまのお話はよく分かりませんでした。 
 私のような主婦にでも分かるように話をしてくれませんか」 
 
と言ったんです。 
 
司会者は大慌てでしたが、さすがは井深さんですね。 
ニコッと笑って、こんなお話をされました。 
 
「ソニーの社長時代、最新鋭の設備を備えた厚木工場ができ、 
世界中から大勢の見学者が来られました。 
 
 しかし一番の問題だったのが便所の落書きです。 
 会社の恥だからと工場長にやめさせるよう指示を出し、 
 工場長も徹底して通知を出した。 
それでも一向になくならない。 
 
 そのうちに『落書きをするな』という落書きまで出て、 
 私もしょうがないかなと諦めていた。 
  
 するとしばらくして工場長から電話があり 
『落書きがなくなりました』と言うんです。 
 
『どうしたんだ?』と尋ねると、 
 
『実はパートで来てもらっている便所掃除のおばさんが、 
 蒲鉾(かまぼこ)の板2、3枚に、 
 
“落書きをしないでください 
  ここは私の神聖な職場です” 
 
 と書いて便所に張ったんです。 
 それでピタッとなくなりました』 
 
 と言いました」 
 
井深さんは続けて 
 
「この落書きの件について、 
 私も工場長もリーダーシップをとれなかった。 
 パートのおばさんに負けました。 
 
 その時に、リーダーシップとは上から下への 
 指導力、統率力だと考えていましたが、 
 誤りだと分かったんです。 
 
 以来私はリーダーシップを 
 “影響力”と言うようにしました」 
 
と言われたんです。 
 
リーダーシップとは上から下への指導力、統率力が基本にある、 
それは否定しません。 
 
けれども自分を中心として、 
上司、部下、同僚、関係団体…… 
その矢印の向きは常に上下左右なんです。 
 
だから上司を動かせない人に 
部下を動かすことはできません。 
 
上司を動かせる人であって、 
初めて部下を動かすことができ、 
同僚や関係団体を動かせる人であって、 
初めて物事を動かすことができるんです。 
 
よきリーダーとはよきコミュニケーターであり、 
人を動かす影響力を持った人を言うのではないでしょうか。 
 
リーダーシップとは時と場合によって様々に変化していく。 
固定的なものではありません。 
戦場においては時に中隊長よりも、 
下士官のほうが力を持つことがある。 
ヘッドシップとリーダーシップは別ものです。 
 
あの便所においては 
パートのおばさんこそがリーダーだった。 
そうやって自分が望む方向へ、相手の態度なり行動なりが 
変容することによって初めてリーダーシップが成り立つのです。 
 
           『致知』2008年2月号 
            特集「将の条件」より 
           http://www.chichi.co.jp/monthly/200802_index.html 
   
…………………………………………………………………………   
■「人間力メルマガ」のご登録はこちらから  
⇒ http://chichi-ningenryoku.com/ 

 


王様とコーチ:素直な坊やが世界の王になった


   2009年8月号の『致知』に掲載され、 
   大きな反響を呼んだ元読売ジャイアンツ・荒川博コーチと 
   王貞治氏による初の師弟対談。 
    
   本日はその記事の中から、 
   お二人が初めて出会われた時の 
   印象的なエピソードをご紹介します。 
 
─────────────────────────────────── 
 
      「習い方がうまい人とは、習う素直さがある人」 
        
            荒川博(日本ティーボール協会副会長)
         
─────────────────────────────────── 
 
【王氏:思えば僕が中学二年の時、草野球の試合に出ていたのを 
    目に留めていただいたのが、荒川さんとの初めての出会いでしたね】 
 
そう、忘れもしないね。 
昭和二十九年十一月二十三日の、午後二時頃だ。 
 
当時二十四歳だった私は毎日オリオンズ 
(現・千葉ロッテマリーンズ)の選手だったけれど、 
その頃のプロ野球には秋季練習なんてなかったから、 
暇を持て余して近所の隅田公園へ出掛けていった。 
 
そしたらそこに凄いピッチャーがいたんだ。 
 
ところがその子は左で投げているにもかかわらず、 
打つ時になると、なぜか右で打つんだよ。 
 
で、初めは黙って見てたんだよね。 
一打席目三塁ゴロ、二打席目ショートフライ。 
 
それで三回目の打席に立った時にね。 
 
「ちょっと待って、坊や。君は何で右で打ってるの? 
本当は左利きなんだろう? 
次の打席は左で打ってごらん」 
 
と声を掛けたら、 
 
「はい」 
 
って素直に言ったんだよ。 
 
これがすべてのきっかけだな。 
 
普通、それまで左で打ったこともない子が、 
試合中にいきなりそんなことを言われたら、 
 
「できない」 
 
って言うのが当たり前だよ。 
 
ところが次の打席で左ボックスに入ったその坊やは、 
いきなり二塁打をかっ飛ばした。 
 
右中間真っ二つ、ビックリするくらいのいい当たり。 
私はその時に、あ、この子を、 
母校の早稲田実業に入れようと思った。 
そうすれば絶対に甲子園で全国制覇ができるって。 
 
それで試合が終わるまで待って、早実に入るよう勧めたんだ。 
 
私はともかくも早実へすっ飛んでいって 
こういう選手を見つけたから、二年後には 
何が何でも入れてくれと頼み込んだ。 
 
ところが翌週に少年の家に行くと、 
お父さんからけんもほろろに断られてしまった。 
 
「うちの子には野球なんかやらせない。 
 両国高校へやって東大に行かせるんだ」 
  
って。いや、これは頭がいいんだなと思ったね。 
 
でも私はそこで諦めなかった。 
人生には「もし」ということがある。 
もし落っこちた時はどうすんだ、と。 
 
そこで近所の知り合いのオヤジに 
 
「もしあそこの家の子が受験に落ちた時には、 
 俺のところへ知らせてくれ」 
  
と頼んでおいた。そしたら結果的に志望校を落ちて、 
早実へ入ることになったんだな。 
 
しかし、それにしてもあの時、 
左で打てと言われて 
 
「はい」 
 
って答えた素直さね。 
 
これが王の一番のいいところであって、 
それが今日の成功をもたらしたんだよ。 
この「はい」が。 
 
だから私はいつも 
 
「習い方がうまい人とは、習う素直さがある人だ」 
 
と言うんだよ。これがもう第一条件なんだよね。 
王はその後も、私に口答えしたことは一回もない。 
 
            『致知』2009年8月号 
             対談「世界の王」はこうしてつくられた」より 
      http://www.chichi.co.jp/monthly/200908_pickup.html#pick3 
 
…………………………………………………………………………………… 
 
人間力メルマガのベスト記事26本を書籍化 
『一流たちの金言』(藤尾秀昭・監修) 
⇒ http://www.chichi.co.jp/book/7_news/book934.html 



TPPと日本の農業

◆■■■国際派時事コラム「商社マンに技あり!」■■■◆ 
 
         TPPと日本の農業 
 
■■■■第333号■平成23年11月14日発行■■■◆ 
 
ぼくが商社に入ったころ、会社のビルが面する四つ辻に 
靴磨きのおじいちゃんとおばあちゃんがいましてね。 
 
 車の煤塵の多い四つ辻に日がな坐っての商売。 
 
役所としては路上の靴磨きは止めさせたいのだけど、 
戦後のいつぞやに四つ辻で営業する権利を得た老夫婦に 
「商売をやめろ」 
とは言わない。 
ただ、新規参入を禁止する。 
 
 いつしか路上の靴磨きは消えた。老夫婦の引退とともに。 
 
東京駅前に屋台を出して新聞・雑誌を売ってたおばちゃんも、 
似たようなものだった。 
 
 これまた役所としては歩道上の屋台を止めさせたい。 
 かといって、大昔に営業の権利を得たおばちゃんの権利を 
奪うところには踏み込まない。 
 
 新規参入を禁じて、おばちゃんの引退を待った。 
おばちゃんは、ある日おしまれつつ引退した。 
 
 
■ 平均年齢70歳の産業って、あり? ■ 
 
 日本で農業に従事する人たちの平均年齢を知っていますか。 
65歳だそうです。 
 
 会社勤めなら第2、第3のキャリアを終えてホントの定年を迎える歳。 
年金をもらいはじめようかという歳が、勤労の平均年齢だというのですから、 
産業として成り立っていることが不思議なくらいです。 
 
 役所は、どう考えているのでしょう。 
四つ辻の靴磨きの老夫婦や、新聞売りの屋台のおばちゃんと同列に考えているとしか思えない。 

 腫れ物を扱うように既得権には触らず、かといって若い人にそのまま後継させることはせず、
既得権者が老齢で引退すると、あっさり新しい風景が展開するのを待つ、というような。 
 
TPP交渉入りして、10年かけて農産物の関税を撤廃したころには、 
農業に従事する人たちの平均年齢は確実に70歳を超えているだろう。 

 そしてある時あっさりと老齢者が一斉引退して、あっさりと大規模機械化農業が日本の農業の主流になるのではないかと、わたしは考えているのですね。 
 
 ならば、低めの地代と引き換えの農地の集約化、農作業の大規模化、会社経営化を促進する政策立案を急いでほしい。 

 
■ 大規模農場と里山の並存という未来像 ■ 
 
 日本の農地のなかには、平地でもないのに相当ムリをして 
米をつくってきたところもある。 
(愛媛県の山間部の水田などを思い出しているわけですが。) 
  
そういう機械化に向かない農地は里山に戻す、すなわち雑木林に戻すのが、 
長期的に望ましい姿だと思うわけです。 
 
 雑木林の維持を、農業予算ではなく環境保護や治水の予算で公共事業として行う必要はあると思っています。 
 
 大規模機械化農業推進の一方で、環境保護の観点からの公費による雇用創出もしてゆく。 
 
 大規模農業は、自然がはぐくむ豊かな多様性を踏みにじらざるをえない。 
 それを補う里山の創出・維持を公費で行うことで、美しいふるさとを創り育てていきたい。 
 
 
■ 消費者価格を考える ■ 
 
TPP入りして仮にすべての農産物の関税が撤廃されたとしても、 
実際に消費者価格がどれだけ下がるものか、わたしは疑問に思っているのです 
 
だって、もともと消費者が支払う農産物価格のうち農家の手取り分は 
せいぜい2割か3割ていどです。 
 
 昨年11月25日の国会・農林水産委員会の議事録を見ると、 
筒井信隆副大臣がこんな答辯をしています: 
http://www.kami-tomoko.jp/sitsumon/176/101125_1.html 
 
≪消費者が支払っている食品についての価格を100とすれば、 
今までは20とかせいぜい30しか 農家の、一次産業者の手取り 
に入っていなかったわけでございます。≫ 
 
 100円支払ううちの20〜30円の部分が、関税撤廃でどのくらい安くなるかなと、まぁそういう議論をしているわけですね。 

残りの70〜80円の部分は輸送費だったり、流通マージンだったり、 
売れ残り処分のリスク部分だったりするわけで、これは関税を撤廃しても 
変わらないわけです。 
 
 よしんば日本の農家の取り分価格が、輸入品の通関後の価格の2倍だとしましょうか。 
それでも、消費者価格を100円とすれば、日本品と輸入品の価格差は、 
せいぜい10〜15円ということなわけです。 
 
 消費者にとって10〜15%の高値は、安心・新鮮・味のよさといった付加価値があれば許容範囲ではないだろうか。 
 
 
■ 輸入農作物への平均関税率は21% ■ 
 
 ちなみに日本が輸入農作物に対して課している関税率の平均は21%だ: 
http://syunoulog.jp/2010/11/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E3%81%AF%E9%96%A2%E7%A8%8E%E3%81%AB%E5%AE%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%EF%BC%9F-%E8%BE%B2%E7%94%A3%E7%89%A9%E3%81%AE%E5%B9%B3%E5%9D%87/ 
 
 消費者物価における農家の取り分が30%とすると、関税撤廃に伴う農産物の消費者物価下落は 30% × 21% = 6.3%  
 
 消費者物価における農家の取り分が20%とすると、関税撤廃に伴う農産物の消費者物価下落は 20% × 21% = 4.2%  
 
 均していえば、そのていどのことなのである。 
 
 米の関税率は778%とある。 
 バターは360%で、小麦は252%の関税率。 
 
 関税撤廃となれば、こういう産品は大規模機械化を図るか、 
特殊な品種で付加価値を狙うか何れかしか生きる道はないだろう。 
 
 しかし、全体をならして21%の関税率ということであれば、 
これがゼロになったとしても消費者価格への影響は4〜6%なのである。 
(流通マージン等が消費者価格の70〜80%を占めるから。) 
 
 その程度であれば、日本産品というブランド力で克服できないだろうか。 
 日本の農業“崩壊”という物言いは、多分におふざけが過ぎる。 
 
 このように数値を並べてみれば、将来に向けた建設的な議論ができるはずだ。 
 
 目下平均年齢65歳の産業をそのままにしていたら、TPPがなくても崩壊するのは当然だ。 
 崩壊したとき「TPPのせいだ」と ほざく代議士だけは、許したくない。 
 
== 
 
■主宰  泉 幸男(いずみ・ゆきお Izumi Yukio) 
http://www.f5.dion.ne.jp/~t-izumi/ 
(旗艦ウェブサイト。これまでの号もここで見られます) 
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/ 
(週に3回ほど更新しているブログ) 
 
■このメールマガジンの転送・転載はご自由にどうぞ。 
 
■メールマガジン(配信誌)のお申込み・解除は、以下のページでどうぞ 
http://www.f5.dion.ne.jp/~t-izumi/mailmag.htm 
 

calendar
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< January 2012 >>
sponsored links
selected entries
categories
archives
recent comment
recommend
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM